みみの診療

治療方針

可能な限りマイクロスコープにて、外耳道や鼓膜の状態の確認を行い、記録された画像をモニターでお見せしながら、状態の説明をさせていただきます。聴力検査やめまいの検査などの各種検査結果もお見せしながらご説明します。プリントアウトが可能な検査結果はお持ち帰りいただけます。
突発性難聴と診断した場合は難聴の程度と患者様のご都合にもよりますが、出来るだけ早期に可能な治療を行ったほうが治癒率が高いため大学病院の受診をお勧めしております。

多い症状

耳が痒い

耳の痒みは外耳道炎外耳道湿疹が考えられます。痛みや耳漏を伴う場合もあり、原因は圧倒的に耳のいじりすぎです。痒みのある外耳道をさらに掻くことによって皮膚を傷つけて炎症が悪化し、さらに痒くなるといった悪循環を繰り返す症例も多く見られます。

耳が痛い

耳の痛みは耳が原因でおこる(耳性耳痛)は外耳道炎急性中耳炎外耳道真菌症などが考えられます。耳以外の原因でおこる(関連耳痛)としては、顎関節症急性咽頭炎急性扁桃炎、耳の奥の神経痛などが考えられます。まれに神経の痛みでは、数日後からウイルスによる顔面神経麻痺を起こすものもあります。

耳だれが出る

耳だれは外耳道炎急性中耳炎慢性中耳炎真珠腫性中耳炎外耳道真菌症などが考えられます。痛みを伴う場合は外耳道炎急性中耳炎の可能性が高いです。痛みを伴わず耳だれを繰り返す場合は慢性中耳炎真珠腫性中耳炎また慢性的な外耳道炎も考えられます。

耳が詰まった感じがする(耳に水が入った感じがする)

耳が詰まった感じがするときの原因は、①外耳にある、②中耳にある、③内耳にある、場合があります。
①外耳が原因の場合は外耳道炎耳垢栓塞外耳道異物外耳道真菌症などが考えられます。
②中耳が原因の場合は急性中耳炎滲出性中耳炎耳管狭窄症耳管開放症などが考えられます。
③内耳が原因の場合は低音障害型感音性難聴突発性難聴メニエール病などが考えられます。
診察にて、①外耳や鼓膜に異常が見られないようであれば、②中耳の確認のためティンパノグラム(鼓膜の動きを確認する検査)と③内耳の確認のため聴力検査を行います。滲出性中耳炎と診断された場合、特に鼻症状のない方は、鼻の奥の腫瘍(上咽頭がんなど)が原因であることもまれにあるので、ファイバースコープにて上咽頭の診察も行います。

聞こえが悪い

聞こえが悪いときの原因は、①外耳にある、②中耳にある、③内耳にある、場合があります。
①外耳が原因の場合は外耳道炎耳垢栓塞外耳道異物などが考えられます。
②中耳が原因の場合は急性中耳炎慢性中耳炎滲出性中耳炎真珠腫性中耳炎、などが考えられます。
③内耳が原因の場合は突発性難聴メニエール病騒音性難聴外リンパ漏老人性難聴などが考えられます。
診察にて、①外耳や鼓膜に異常が見られないようであれば、②中耳の確認のためティンパノグラム(鼓膜の動きを確認する検査)と③内耳の確認のため聴力検査を行います。滲出性中耳炎と診断された場合、特に鼻症状のない方は鼻の奥の腫瘍(上咽頭がんなど)が原因であることもまれにあるので、ファイバースコープにて上咽頭の診察も行います。また内耳が原因と思われる難聴の中には、まれに脳と耳を結ぶ神経の腫瘍(聴神経腫瘍)が原因である場合があるため場合によっては、MRI検査を行う場合もあります。

めまいがする

めまいはグルグル回る回転性とふらふらするといった非回転性のものがありますが、耳鼻科疾患のめまい(内耳性のめまい)の多くは回転性のめまいです。代表的な疾患は①良性発作性頭位眩暈症、②前庭神経炎、③メニエール病、④突発性難聴などが考えられます。①、②は難聴を伴わない回転性めまいが主体であり、③ ~ ④は難聴を伴います。また、まれにですが慢性中耳炎真珠腫性中耳炎の炎症が内耳に波及してめまいを起こすこともあります。内耳以外の原因としては、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍などの中枢性のめまいや、自立神経の障害や肩こりによるめまいなどもあります。

耳鳴りがする

ボーボー、ゴーゴーといった耳が詰まった感じがする低音域の耳鳴り、ジージー、ザザーといった中間音域の耳鳴りやキーンといった高音域の耳鳴りがありますが、2週間以上続く難聴を伴っている耳鳴りは改善が難しい場合が多いです。ただし低音の変動する難聴を伴っている症例のなかには改善する症例もあります。いずれにしても発症時期や聴力の状態の確認が必要なので、症状が2日以上続く場合は耳鼻咽喉科受診をお勧めします。

よくある症状や疾患に対する治療概要

外耳道炎

症状:耳の痒みや痛みがあり、耳を引っ張った時に痛みがある場合は可能性が高いです。視診にて外耳道の発赤や腫脹が見られれば診断が確定します。

治療:外耳の入口付近の炎症は軟膏を塗布、外耳道内の炎症は点耳薬などで治療します。発赤腫脹がひどい場合は抗生剤の内服も併用致します。

外耳道湿疹

症状:耳の入口付近が痒く、外耳道入口部の皮膚が荒れている場合に診断されます。

治療:軟膏の塗布です。外耳炎を併発する場合が多く、その場合は同時に治療致します。

急性中耳炎

症状:急な耳痛、耳漏、発熱などがあり、鼓膜の奥の中耳にウイルスや細菌が侵入して炎症が起こる疾患です。視診にて鼓膜の発赤、腫脹、水泡形成、鼓膜内の貯留液、穿孔、耳漏などが見られれば診断が確定します。

治療:軽症例は経過観察の後に、中等症以上はすぐに抗生剤の内服で治療します。重症例や難治性の中耳炎に対しては鼓膜切開を行うこともあります。

滲出性中耳炎

症状:耳閉感(耳が詰まった感じ)や聞こえにくさなどがありますが、急性中耳炎とは異なり耳痛はありません。鼓膜の奥の中耳腔に浸出液(中耳粘膜から滲み出た液体)が貯留して起こる疾患です。視診にて鼓膜内の貯留液が確認されれば診断されます。

治療:薬の服用や耳管通気(耳と鼻をつないでいる管に空気を通す)にて中耳腔内の貯留液の排出を促します。鼻の奥の炎症や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などがあると治りにくいため、これらの治療も並行して行います。

慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎

症状:難聴、耳鳴、耳漏などがあり鼓膜に穴が空いているものが慢性中耳炎、鼓膜の一部が中耳腔内に入り込み、そこに耳垢が積み重なって周囲の骨を破壊しているものが真珠腫性中耳炎と診断されます。

治療:耳漏に対しては耳処置や点耳薬などを使用します。完治するには手術が必要となりますので、患者様と相談の上連携病院に紹介させていただきます。

突発性難聴

症状:突然聞こえなくなる、耳鳴、耳閉感(耳が詰まった感じ)、めまいなどがあります。

治療:当院で行える治療は、ステロイド剤やビタミンB12、循環改善剤などの内服治療です。

糖尿病やB型肝炎、C型肝炎の既往がある方はステロイド剤の内服治療ができません。
そのため、治療前に血液検査を行う必要があります。
入院が可能な大きな病院では、施設の規模にもよりますが、ステロイドの鼓室内投与や点滴治療、高気圧酸素療法、星状神経節ブロックなどの治療を併用することができます。

突発性難聴は文字通り突然起こる難聴でウイルス感染説、内耳循環障害説、ストレス説などがありますが、明らかな原因は不明です。発症後2週間を経過した症例の治癒率は2週間以内に治療を開始した症例に比べて低下します。また早期に治療を開始しても完治する率は3分の1、改善はしたが完治には至らなかった率が3分の1、全く改善がみられなかった率が3分の1と言われています。そのため当院では、できるだけ早期に可能な治療を行う事が大切であるとの考えから、可能な限り大学病院などの様々な治療を併用できる病院をご紹介させていただいております。

メニエール病

症状:激しい回転性めまい、難聴、耳鳴、耳閉感を繰り返す疾患です。直接的な原因は内耳のリンパ液の循環が滞り、内リンパ水腫となり内耳を圧迫することによって起こるとされています。内リンパ水腫となる明らかな原因は不明なのですがストレス説が有力です。

治療:内リンパ水腫の解消のため利尿剤やビタミンB12、循環改善剤などの内服治療です。軽症例では利尿剤の代わりに水分を調節する作用のある漢方薬を処方します。以前は内リンパ水腫を予防するために水分摂取制限と言われていましたが、最近ではむしろ水分を多めに摂取することが推奨されているようです。

よくある質問


可能です。特に小さいお子様やご年配の方はご自宅での耳掃除は難しいと思われるので、2~3か月に1回程度の定期的な受診をお勧めしております。

残念ながら、現在耳鳴りを完全に消すことができる治療や薬はありません。ただし内耳の代謝を改善する薬やビタミンB12、また漢方薬などを服用することによって、耳鳴りを小さく出来ることはあります。難聴を伴わない耳鳴りであれば治る可能性もあります。
いずれの耳鳴りであってもご自身が耳鳴りが鳴っていることを強く意識する事によって、ご自身で耳鳴りを『自分に必要な音』と認識してしまう事となります。特に、周囲で音がしている環境では気にならない耳鳴りが、夜寝る前に静かになると気になって寝られない人などがこれに相当します。まずは耳鼻咽喉科で聴力の状態を確認することが第一です。