睡眠時無呼吸症候群
そのいびき、いのちに関わるサインかも。
検査から治療まで、当院がすべてサポートします。
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医が、大学病院レベルの精密検査(PSG)から最適な治療のご提案、その後のフォローアップまで一貫して行います。
睡眠時無呼吸症候群は、単なる「いびき」の問題ではありません。
睡眠中に呼吸が止まることで体に大きな負担をかけ、日中の激しい眠気だけでなく、高血圧や心疾患、脳卒中といった命に関わる病気のリスクを高めることが近年の研究で明らかになっています。
日本には推定500万人以上の患者さんがいると言われていますが、治療を受けているのはそのうちの1割程度です。
もし、ご自身やご家族のいびき、日中の眠気で気になることがあれば、決して放置せずにお気軽にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の種類
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。主にのどの筋肉がゆるんで気道が狭くなることで発生し、血中の酸素濃度が低下します。その結果、脳や身体が十分に休息できず、様々な症状や合併症を引き起こします。
【閉塞性】睡眠時無呼吸症候群
最も一般的な型で、成人に多く見られます。特に40~60歳の中年層で発症リスクが高まります。肥満、首の太さ、扁桃腺肥大などが原因となることが多く、いびきを伴うのが特徴です。 男性は女性の2~3倍発症しやすいですが、閉経後の女性でもリスクが上昇します。また、小児でも扁桃腺肥大などにより発症することがあります。 気道閉塞により血中酸素濃度が低下し睡眠が中断されます。治療にはCPAP療法や口腔内装置が効果的です。
【中枢性】睡眠時無呼吸症候群
脳の呼吸中枢の異常により、適切な呼吸の指令が送られないことで起こります。心不全や脳卒中後に発症することが多い。 閉塞性と違い、気道は開いていますが、呼吸のための筋肉が動かないため、呼吸が停止します。いびきは通常伴いません。 年齢とともに増加する基礎疾患(心臓病、神経疾患など)が原因となることが多いため、高齢になるほど注意が必要です。治療には原因疾患の管理が重要で、場合によっては特殊な人工呼吸器が使用されます。
【複合性】睡眠時無呼吸症候群
閉塞性と中枢性の特徴を併せ持つ型で、年齢層は様々です。多くの場合、閉塞性睡眠時無呼吸の治療中に発生します。 例えば、CPAP療法で上気道の閉塞は改善されても、脳の呼吸調節機能の問題が顕在化することがあります。 中年以降に多く見られますが、若年者でも発症する可能性があります。特に、長期間未治療の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者が、年齢とともに中枢性の要素を併発するケースがあります。 診断には詳細な睡眠検査が必要で、治療は複雑になることがあります。個々の症例に応じて、閉塞性と中枢性の両方の要素に対処する総合的なアプローチが必要です。
睡眠時無呼吸症候群かも??と思ったらお気軽に
【チェックリスト】こんな症状はありませんか?
ご自身やご家族に当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。3つ以上当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります
夜間の症状
- とても大きないびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まっていると家族に言われたことがある
- 息苦しさを感じて目が覚めることがある
- 夜中に何度もトイレに起きる
日中・生活への影響
- 朝起きてもスッキリせず、頭痛がする
- 日中に強い眠気を感じ、集中力が続かない
- 運転中や会議中に居眠りをしてしまうことがある
- 高血圧、心臓病、糖尿病と診断されている
当院の睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療
1:大学病院に行かずに、精密検査(PSG)まで院内で完結
これまで大学病院や専門施設でしか受けられなかった、睡眠時無呼吸症候群の確定診断に必要な「精密検査(PSG)」を、当院で実施可能です。
- 手間と時間がかかりません 大学病院への紹介状や、改めて別の病院で予約を取り直す必要がありません。
- 診断から治療開始までがスピーディー 当院で検査から診断、治療方針の決定まで一貫して行うため、スムーズに治療をスタートできます。
- リラックスして検査が受けられます 検査機器を装着後、入院の必要はなく、ご自宅の慣れた環境でリラックスして検査を受けていただけます。
2:診断から治療までワンストップで対応
当院では、最初の診察から検査、診断、そしてCPAP治療や歯科と連携したマウスピース治療の導入、その後のフォローアップまで、すべてワンストップで対応します。患者様の症状やライフスタイルに合わせて、最適な治療プランを構築します。

- STEP1:問診・診察
- STEP2:ご自宅での簡易検査
- 結果:AHI 40以上 の場合
- 重度の無呼吸と診断。すぐにCPAP治療を開始します。
- 結果:AHI 20以上40未満 の場合
- **精密検査(PSG)**に進み、より詳しく睡眠の状態を評価します。
- PSG結果:AHI 20以上 → CPAP治療を開始
- PSG結果:AHI 20未満 → 歯科と連携したマウスピース治療などを検討
- **精密検査(PSG)**に進み、より詳しく睡眠の状態を評価します。
- 結果:AHI 20未満 の場合
- 軽症と判断されますが、いびきや眠気などの症状が気になる場合は、歯科と連携したマウスピース治療の導入や、より詳細な評価のための**精密検査(PSG)**も選択可能です。
- STEP3:治療と継続管理
- CPAP治療の方: クラウドのモニタリングデータを元に、毎月診察と治療を継続します。
- 歯科と連携したマウスピース治療: 半年に一度程度の簡易検査で効果を確認します。
3:専門医による的確な診断と治療方針
院長は、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療に10年以上携わってきた耳鼻咽喉科専門医です。豊富な経験に基づき、安易な外科手術は推奨せず、CPAP治療や歯科と連携したマウスピース治療、生活習慣の改善など、数多くの選択肢の中から患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた最適な治療をご提案します。
4:CPAP治療の継続管理・転院も歓迎します
CPAP治療は継続が最も重要です。「今のクリニックでは十分に相談できない」「引越しに伴い、通院先を探している」など、CPAP治療の転院をお考えの方も、当院ではスムーズな引き継ぎが可能です。
マスクの不快感や副作用、データの見方など、どんな些細なことでもご相談ください。快適に治療を続けていただけるよう、きめ細かくサポートいたします。
・これまでの検査データ
(紹介状に詳しい内容が記載あれば必要ございません。)
・お薬手帳など
(紹介状に詳しい内容が記載あれば必要ございません。)
診断と治療について
問診と診察
問診
患者さんやご家族から症状や生活習慣について詳しくお聞きします。
- 睡眠の質、いびきの有無、日中の眠気などの症状
- 生活習慣(飲酒、喫煙、就寝時間など)
- 既往歴や家族歴
など
診察
- 身長、体重の確認
- 口腔内や鼻腔の観察(扁桃肥大、鼻中隔彎曲などのチェック)
- 顎や顔の形状の確認
検査(簡易検査(PG)と精密検査(PSG))
簡易検査(PG)と精密検査(PSG)の違い
当院では、症状や重症度に応じて2つの検査を使い分け、正確な診断につなげます。
| 項目 | 簡易検査 | 精密検査(PSG) |
| 目的 | スクリーニング(重症度の判定) | 確定診断 |
| 場所 | ご自宅 | ご自宅 |
| 費用目安 (3割負担) | 約4,000円 | 約13,000円 |
| 特徴 | 手軽に受けられる | 呼吸状態に加え脳波も測定し、睡眠の質や他の睡眠障害まで詳細に評価できる |
簡易検査
携帯型睡眠時無呼吸検査装置
特徴: 自宅で使用可能な小型の装置
測定項目: 呼吸状態、酸素飽和度、体動など
メリット: 自宅で普段通りの睡眠が取れる、比較的安価
デメリット: PSGほど詳細なデータは得られない
パルスオキシメーター
特徴: 指先に装着する小型の機器
測定項目: 血中酸素飽和度と脈拍数
メリット: 簡便で手軽、スクリーニングに有用
デメリット: 無呼吸の直接的な検出はできない
鼻気流センサー
特徴: 鼻の下に装着するセンサー
測定項目: 呼吸の気流
メリット: 呼吸パターンの異常を直接検出できる
デメリット: 口呼吸の場合、正確な測定が難しい
睡眠ポリグラフ検査(PSG)
睡眠ポリグラフ検査は、当院でも実施している睡眠時無呼吸症候群の最も正確な診断方法です。
PSG検査の特徴
- 一晩中、専用の検査室で睡眠を取りながら行う検査
- 脳波、心電図、呼吸状態、酸素飽和度、体動など多数のパラメータを同時に測定する
- 無呼吸や低呼吸の回数、程度、睡眠の質を詳細に評価可能
PSGは最も詳細で正確な診断を可能にし、睡眠の質や他の睡眠障害も同時に評価できるというメリットがあります。
一方で、通常専門の設備が必要なため予約が取りにくい場合があることや、慣れない環境での睡眠となるため普段の睡眠状態と異なる可能性があるというデメリットもあります。
これらの診断方法を組み合わせることで、睡眠時無呼吸症候群を正確に診断し、適切な治療方針を立てることができます。
症状や生活への影響が気になる方は、まずは当院や専門医にご相談ください。また、いいだ耳鼻咽頭科では、総合病院などでしかできなかった睡眠ポリグラフ検査(PSG)を実施することが可能です。ぜひご自身の睡眠の質や健康に不安のある方はご相談ください。
治療法
症状の重症度や原因、ライフスタイルに応じて最適な治療法を選択します。
治療法① 生活習慣の改善
軽度の症例や、他の治療法と併用して効果を高めるために重要です。
- 減量:肥満は睡眠時無呼吸症候群の主要な危険因子です。適切な体重管理により、症状が改善することがあります。
- 禁煙・節酒:喫煙や過度の飲酒は上気道の炎症を引き起こし、症状を悪化させる可能性があります。
- 睡眠姿勢の改善:横向きで寝ることで、舌根沈下を防ぎ、気道の閉塞を軽減できることがあります。
- 規則正しい睡眠:十分な睡眠時間の確保と規則正しい睡眠スケジュールの維持が重要です。
治療法② CPAP療法
中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する最も効果的な治療法です。

- 仕組み:マスクを通じて鼻や口に空気を送り込み、気道を開存させます。
- 効果:無呼吸・低呼吸を防ぎ、血中酸素濃度の低下を防ぎます。
- 色々なメーカーから出ていますので、患者さんに合った装置を推奨しています。
- 即効性があり、使用初日から効果が現れることが多い
- 毎晩の使用が必要
- 機器の調整や管理が必要
治療法③ 口腔内装置(マウスピース)
軽度から中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群や、CPAP療法が合わない患者さんに適しています。
- 仕組み:下顎を前方に固定し、気道を広げます。
- 効果:いびきの軽減や軽度の無呼吸の改善に効果があります。
- 特徴:
- CPAPに比べてコンパクトで携帯しやすい
- 歯科医師による調整が必要
- 顎関節への負担や歯列の変化に注意が必要
治療法④ 手術療法
他の治療法が効果的でない場合や、明らかな解剖学的異常がある場合に検討されます。
- 主な手術法:
- 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP):軟口蓋や口蓋垂を切除し、気道を広げます。
- 鼻中隔矯正術:鼻呼吸を改善します。
- 扁桃摘出術:肥大した扁桃を除去し、気道を広げます。
- 特徴:
- 症例に応じて適切な手術法を選択
- 永続的な効果が期待できる
- 手術のリスクや回復期間を考慮する必要がある
よくある質問
院長からひとこと

睡眠時無呼吸症候群でお悩みの皆様へ
睡眠は私たちの心身の健康を支える大切な基盤です。しかし、睡眠時無呼吸症候群に悩む方々にとって、その大切な睡眠が十分な休息をもたらさないことがあります。日中の強い眠気やだるさ、集中力の低下など、この症候群がもたらす影響は決して小さくありません。
当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の診断と治療に10年以上携わってきました。この経験を通じて、適切な治療により多くの患者さんの生活の質が劇的に向上するのを見てきました。かつては日中の眠気に悩まされていた方が、治療後には生き生きと仕事や趣味を楽しむようになる—そんな変化を目の当たりにするたびに、この分野に携わる喜びを感じています。
睡眠時無呼吸症候群は決して珍しい病気ではありません。しかし、自覚症状に乏しく、「単なるいびき」と軽視されがちです。もし少しでも心当たりがあれば、ぜひ一度受診をご検討ください。
私たちは、最新の医療機器と豊富な経験を活かし、皆様一人一人に寄り添った診療を心がけています。治療法の選択から日々の生活習慣のアドバイスまで、あなたの生活スタイルに合わせたサポートを提供いたします。
良質な睡眠を取り戻し、健康で活力ある毎日を過ごすお手伝いをさせていただければ幸いです。
皆様のご来院を心よりお待ちしております。








