のどの診療

治療概要

治療方針

可能な限りマイクロスコープにて上咽頭から喉頭まで詳細に診察し、記録された画像をモニターでお見せしながら、現在の症状や治療経過を説明をさせていただきます。

ただの風邪だと感じてもご注意を。
ノドに違和感があったり、痛みを感じたりしていませんか?咳や鼻づまりなどが原因でノドの症状が悪化することもあります。

ノドの痛み、食べ物が飲み込みにくくなる嚥下障害(えんげしょうがい)、声が枯れるなど、そのほとんどは咽頭(いんとう)や扁桃(へんとう)に細菌やウイルスが感染し、炎症を起こしていることが原因です。
ノドの調子が悪い時も当院にお任せください。

喉頭ファイバー(マイクロスコープ)で診察する理由

マイクロスコープで診察することで、通常の診察では確認できない上咽頭や喉頭の細部の診察も可能となり、患部とその周囲を観察することができ診察の精度が上がります。

患者さん(または保護者様や介助者様)に画面を見ていただくことで、治療前と治療後の経過を確認いただけます。

喉頭とはのど仏を形成する軟骨の枠に守られた声帯や声帯にかぶさる蓋のような構造物のあるところです。気管の入り口につながっています。その後方に隣り合わせて、食物が食道に流れ込む入り口としての下咽頭があります。

これらの部位での喉頭ファイバーの活躍場所は、たとえば魚の骨をのどに引っかけて取れないとき、ファイバーで引っかかっている部位を確認しながら取り除く、声がかすれた時、声帯ポリープや声帯腫瘍、声帯麻痺がないか見てみる、食べ物の通りが悪いような気がしたり、詰まった感じがするとき、舌根部や下咽頭の脹れや腫瘍がないか見てみるなどです。

声のかすれから声帯の麻痺を確認し、原因として耳鼻科以外の領域の肺疾患や脳梗塞を予測し、それらの病気の発見につながることもあります。

大学病院や総合病院と連携する理由

特に癌が疑われるような腫瘍が見つかった場合、診断を確定するために腫瘍の一部を切り取って顕微鏡で調べる検査をする必要があるのですが、この検査をすることによって癌を刺激して、癌の増殖が進行してしまう可能性があるため、診断後の速やかな治療が開始できる施設での検査が必要であると考えられるからです。

それ以外にも手術が必要であると思われる場合や詳しい検査が必要であると考えられる場合も大学病院との連携は大切であると考えます。

症状

声が出ない(声がかれる・声がかすれる)

声帯の急な炎症によって起こる急性喉頭炎、炎症が長引き声帯の一部がこぶ状に腫れて起こる声帯ポリープ、声帯全体が腫れるポリープ様声帯、炎症以外の原因では喉頭がんや声帯麻痺などがあります。

いびき

いびきは①鼻づまりが原因、②口蓋垂やその周囲が震えることが原因、③舌の付け根が狭くなっていることが原因、が考えられます。睡眠時無呼吸症候群を伴う場合もあり、その場合は睡眠時の呼吸状態の検査を行います。

味がしない

味覚障害は①舌苔や舌炎などで舌が荒れて味を感じる部分がうまく働かない場合、②亜鉛不足によって味を感じる部分が代謝が遅くなってしまう場合、③鉄欠乏により貧血が生じ、貧血による舌炎が原因となる場合などがあります。

逆流性食道炎が治らない

まず消化器内科(外科)にて胃カメラを施行し食道炎の状態を確認する必要があります。服用する薬剤の変更によって改善する場合もあります。逆流性食道炎の専門は消化器内科(外科)になります。

口・息が臭い

多くは気にし過ぎで特に心配がない印象が強いですが、舌苔や扁桃の膿栓が原因となる場合はうがいなどで口腔内環境の改善をうながします。
歯周病などの歯科疾患が原因の場合もあるため、歯科受診も勧めています。

口内炎ができた・治らない

口内炎と自己判断し市販の軟膏などで治療していたものが、白斑症といった前がん病変であったりする場合もあります。
治りにくい口内炎は表面を薬品で焼き固めることによって粘膜の再生が促される場合もありますので受診をお勧めします。

首の痛み、腫れ

頚部リンパ節炎、頚部の良性腫瘍、リンパ腫、がんの頚部転移などがあります。

魚の骨が刺さった

扁桃やその周りなどの口を開けて見える範囲に刺さっている骨はつまんで除去が可能です。
舌の付け根や喉頭などファイバースコープでないと見えない範囲の骨は当院では除去できないため、鉗子付きファイバースコープを常備している病院をご紹介いたします。

ノドの痛み

のどの痛みはのどの炎症によって起こります。のどの粘膜の炎症は急性咽頭炎、扁桃の炎症は急性扁桃炎、扁桃炎が重症化し扁桃周囲に膿がたまる扁桃周囲膿瘍、のどの奥の声帯付近の炎症による急性喉頭炎、喉頭の上にある喉頭蓋が腫れる急性喉頭蓋炎などがあります。

ノドが痛いけど熱はない

のどの炎症では熱が出ない場合もあります。

ノドが痛くて熱がある

のどの炎症が重症化するほど熱は出やすい傾向があります。

飲み込むとノドが痛い

のどの口に近い部分の扁桃や中咽頭周囲の炎症の場合は嚥下時痛がある場合が多く見られます。のどの奥の喉頭の炎症の場合は嚥下時痛はない場合が多いです。

花粉症でノドが痛い

花粉症でのどが痛くなる場合は主に鼻閉によって鼻呼吸が制限され、口呼吸となるために起こると考えられます。
鼻は呼吸時に異物を除去し、吸気を温めて加湿するといったフィルターのような働きがあるのですが、鼻閉で口呼吸となった場合、冷たく乾燥した空気を直接吸うことによって乾燥し、痛みが生じます。

せき(咳)たん(痰)がでる

たん(痰)がノドに張り付く(苦しい)

実際に痰が張り付いている場合は痰の原因となっている部位を特定して治療を行いますが、痰が張り付いて苦しいと訴える場合、実際に診察してみるとほとんど痰は見られない場合も多くあります。
高齢者の場合は唾液の分泌低下による乾燥からくる場合や若年者の場合は、のどに張り付いている感じがするだけの場合もあります。

たん(痰)が出る

痰は主に鼻腔からの流れ込む副鼻腔炎由来のものと気管支から上がってくる肺炎や気管支炎由来のものがあります。

せき(咳)をするとたん(痰)が出る/せき(咳)をするとノドが痛い

咳は本来、炎症が起こって過敏になった気管や喉頭に溜まった痰などを喀出するために起こる反射ですが、無理に咳をし過ぎると、逆にのどを痛める場合があります。

横になるとせき(咳)がとまらない

横になると鼻汁がのどに流れるいわゆる後鼻漏によって起こる咳や、喘息のような気管の過敏性が亢進している状態の時に出やすい症状です。

たん(痰)に血がまじる

ノドの違和感

ノドに違和感がある/ノドがイガイガする

慢性的な咽頭炎や扁桃炎による場合や加齢による粘膜の分泌低下による場合、咽頭がん、喉頭がんの初期症状の場合もあります。
のど以外の原因として慢性副鼻腔炎による後鼻漏や胃酸の逆流による逆流性食道炎などが原因の場合もあります。また明らかな原因となる病変が見られない咽喉頭異常感症と呼ばれる疾患もあります。

ファイバースコープにて鼻腔から喉頭まで、また場合によっては食道入口部まで詳細な診察を行います。
耳鼻咽喉科のファイバースコープでは食道入口部までしか診察ができないため、症状が長引く場合や逆流性食道炎が疑われる場合は、他院(消化器科)にて上部内視鏡検査(胃カメラ)をお勧めしております。

ノドがかゆい

喉頭のアレルギーの可能性があります。

飲み込めない・むせる

高齢者の場合は嚥下機能の低下が考えられます。誤嚥の原因となる場合もあります。

ノドの構造

ノドの構造

多く見られる病気や疾患

急性上気道炎(かぜ)

症状:
発熱、水っぽい鼻水、のどの痛み、痰、咳です。

多い原因:
風邪はウイルス感染によっておこります。

診察・検査:
鼻やのど診察して鼻水の有無やのどの赤みを確認します。ウイルス感染が疑われる場合はウイルス検査を行います。RSウイルス、アデノウィルス、インフルエンザウイルスの検査が行えます。
※新型コロナウィルスのPCR検査を行っております。詳しくはPCR検査ページをご覧ください。

治療:
熱さまし、鼻水止め、痰切り、咳止めなどの対処療法が基本となります。インフルエンザウイルス感染が確認された場合は抗インフルエンザ薬を使用します。

アレルギー性気管支炎(咳喘息)

症状:
痰の絡まない乾いた咳が続く

多い原因:
ハウスダストなどの吸入性の抗原による場合が多いですが、感染性の炎症に続発して起こる気管の過敏症状のこともあります。

診察・検査:
ファイバースコープにて気管支の炎症や痰の有無を確認します。明らかな炎症所見がなく乾いた咳が続く場合はアレルギー性気管支炎が疑われます。

治療:
抗アレルギー剤の服用や吸入薬による治療となります。

のどが痛い(症状)

症状:
のどの痛み

多い原因:
のどの乾燥やウイルスや細菌の感染による炎症による痛み

診察・検査:
視診にて咽頭や喉頭の発赤、腫脹が見られた場合は診断されます。

治療:
病態にもよりますが、抗生剤や消炎剤の内服などです。

急性扁桃炎・急性咽頭炎

症状:
発熱、のどの痛みといった症状が見られます。白苔と呼ばれる白い膜のようなものが付着することもあります。
扁桃炎が重症化すると扁桃周囲膿瘍となってしまう場合があります。

多い原因:
ウイルス感染によるものや溶連菌などの細菌感染です。

診察・検査:
咽頭や扁桃の発赤や多発する口内炎が見られる場合に診断されます。

治療:
軽症例やウイルス性の場合は対処療法となります。解熱鎮痛剤や消炎剤、去痰剤、漢方薬などを服用して炎症を抑えます。
ウイルス性の場合はウイルスを殺す薬がないため抗体ができるまで2週間ほど症状が続く場合があります。細菌性の場合は抗生剤服用が必要となります。特に溶連菌による扁桃炎の場合はリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症予防のため処方された日数分の抗生剤の服用が必要となります。

扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍

症状:
扁桃炎が重症化し、周囲に炎症が広がって膿が溜まってしまったものです。
溜まった膿が周囲を圧迫して、口を開けた時の痛みもあります。痛みが強く食事や水も飲めなく場合もあります。

多い原因:
細菌性の扁桃炎を適切に治療せずに、炎症を長引かせ悪化した場合が多いです。

診察・検査:
口腔内の診察して扁桃周囲の腫れが見られれば診断されます。

治療:
抗生剤の内服ができない場合は、点滴による抗生剤の投与を行います。腫れがひどい場合は針を刺したり、切開をして膿を出す処置をすることもあります。抗生剤の投与とともに腫れを引かせるためにステロイド剤を併用する場合もあります。
水も飲めないような状態の場合には、入院加療が必要となる場合もあり、その場合は連携医療機関に紹介となります。

急性喉頭蓋炎

症状:
のどの痛みに加えて息苦しさを伴うことがあります。腫れがひどくなると、空気の通り道が狭くなって呼吸困難を起こすことがあります。特に糖尿病などの基礎疾患がある場合は急速に悪化して呼吸困難となる場合もあり、注意が必要です。

多い原因:
声帯の上部にある喉頭蓋(飲み込む時に気管にものが入ることを防ぐ働きをする蓋)の炎症です。

診察・検査:
間接喉頭鏡やファイバースコープによって喉頭蓋の発赤腫脹を確認します。

治療:
軽症例を除き、基本的に入院治療となります。特に糖尿病などの基礎疾患がある場合は軽症例でも入院治療となります。
抗生剤やステロイド剤の点滴治療とともに、呼吸困難が強い場合は気道を確保することが最も重要となります。その場合気管に管を入れる処置を行うか、それも難しい場合は首を切って気道を確保する、気管切開を行う場合もあります。

慢性的なのどの痛みや不快感(症状)

症状:
慢性的なのどの痛みや不快感

多い原因:
慢性副鼻腔炎による後鼻漏、慢性上咽頭炎、慢性扁桃炎、逆流性食道炎、原因不明など

診察・検査:
ファイバースコープによって鼻腔から上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭の診察を行い、原因となる部位を特定する。

治療:
原因となる部位の治療を行う。原因が不明の場合はストレスなど精神的な要因で症状が出ている場合もあるため漢方薬などで改善することもあります。

慢性上咽頭炎

症状:
鼻の奥の違和感・痛み、鼻がのどに落ちる(後鼻漏)など

多い原因:
鼻の奥にある上咽頭の炎症

診察・検査:
ファイバースコープにて上咽頭の発赤や腫脹が見られた場合診断されます。

治療:
上咽頭炎に対するEAT療法(Bスポット療法)は、1%塩化亜鉛溶液を経鼻的にまたは経口的に上咽頭へ塗布する治療法です。上咽頭炎が強い場合は痛みが強く、出血することもあります。
炎症がある咽頭扁桃や耳管扁桃に塗布することによって、後鼻漏、鼻の奥の違和感や痛み、耳閉感などを改善します。炎症が治まってくれば痛みは和らぎますが、治療後、一時的に鼻汁が増えたり、痰に血が混じることがあります。

慢性扁桃炎

症状:
慢性的なのどの痛みや不快感、扁桃のくぼみに膿栓が付着するなど

多い原因:
溶連菌などの細菌感染

診察・検査:
扁桃の発赤や膿栓の付着を確認、血液検査にて溶連菌に対する自己抗体価(ASO)が高値となると診断される。

治療:
うがいや抗炎症作用のある1%塩化亜鉛溶液の塗布、膿栓の吸引など。
ASO値が高い場合や病巣感染症(自己抗体によって扁桃以外の部位の炎症を起こす)と診断される場合などは扁桃を摘出することもあります。

声がれ(症状)

症状:
声がれ、声が出しにくい、声が出ない

多い原因:
急性喉頭炎、声帯ポリープ、浮腫状声帯炎、声帯麻痺、声帯溝症、声帯良性腫瘍、喉頭がんなど

診察・検査:
ファイバースコープにて声帯の異常を確認することによって診断します。声帯良性腫瘍か喉頭がんが疑われる場合は連携医療機関に紹介となります。

治療:
各疾患の治療法に従います。

急性喉頭炎

症状:
急に生じた声のかすれやのどの違和感、のどの痛みなどの症状が見られます。

多い原因:
のどの乾燥や声の使い過ぎが多いです。

診察・検査:
間接喉頭鏡やファイバースコープにて喉頭や声帯の発赤腫脹が見られた場合診断されます。

治療:
消炎剤や去痰剤を服用して炎症を抑えます。継続的なネブライザー治療も有効ですので連日通院される患者様もいらっしゃいます。
声がかれている時はのどの加湿と声帯の安静(発声をなるべく控える)ことが重要になります。

声帯ポリープ

症状:
声がれ、声が出しにくいなど

多い原因:
声帯に炎症を起こしている時の長時間の発声や大きな声を出すことなで声帯に負担をかけて、声帯の粘膜下で内出血が起こり、こぶ状に腫れて起こります。

診察・検査:
ファイバースコープにて声帯を診察して、声帯にこぶ状の腫れがあった場合に診断されます。多くは声帯の前方に見られ、片側であったり両側に見られる場合もあります。

治療:
手術をしない保存的な治療として、まず急性喉頭炎と同様に去痰剤や消炎剤の内服治療とネブライザー吸入による消炎剤の局所噴霧を行います。自宅ではのどの乾燥を防ぐための加湿と声帯の安静のため発声を控えるようにしていただきます。
保存的な治療で改善しない場合は手術による切除が必要となります。その場合は連携医療機関をご紹介いたします。

喉頭浮腫(浮腫状声帯炎)

症状:
声がれ、声が出しにくいなど

多い原因:
喫煙や炎症を起こしている時の声帯の酷使など

診察・検査:
ファイバースコープにて声帯を診察して、両側の声帯が水膨れのように腫れている場合に診断されます。

治療:
声帯ポリープと同様に、まず手術をしない保存的な治療をしていただきます。
しかし、浮腫状声帯炎となってしまっている場合、声がれなどの症状が長期にわたっている場合が多く声帯の腫れもひどい場合も多いため、手術による切除が必要となる傾向が多いです。その場合は連携医療機関をご紹介いたします。

喉頭がん

症状:
声がれ、声が出しにくいなど

多い原因:
喫煙が関与している可能性が高いとも言われています。

診察・検査:
ファイバースコープにて腫瘍が確認された場合、組織検査(腫瘍の一部を切り取って顕微鏡で細かく調べる検査)をして診断が確定されます。診断が確定した場合、首のリンパ節や肺、肝臓などへの転移がないか画像検査もおこないます。

治療:
連携医療機関での治療となります。がんの進行具合によって、抗がん剤による治療、放射線による治療、手術による切除、などを行います。

咽頭がん

症状:
上咽頭がん…鼻の奥の違和感・痛み、耳が詰まった感じなど
中咽頭がん…のどの違和感・痛み、のどの腫れなど
下咽頭がん…のどの違和感・痛み、呑み込みにくさなど

多い原因:
明らかな原因は不明ですが、喫煙や飲酒などが関与している可能性があります。

診察・検査:
ファイバースコープにて腫瘍が確認された場合、組織検査(腫瘍の一部を切り取って顕微鏡で細かく調べる検査)をして診断が確定します。診断が確定した場合、首のリンパ節や肺、肝臓などへの転移がないか画像検査もおこないます。

治療:
連携医療機関での治療となります。がんの進行具合によって、抗がん剤による治療、放射線による治療、手術による切除、などを行います。

味覚障害(症状)

症状:
味がしない

多い原因:
味覚障害の代表的な原因としては亜鉛不足があります。亜鉛不足によって味細胞の代謝が阻害されることによって起こります。また鉄不足による貧血からくる舌炎や舌の表面の異常による舌苔によって起こる場合などもあります。

診察・検査:
視診にて舌苔や舌炎など舌表面の異常の有無を確認し、血液検査にて亜鉛不足や鉄欠乏性貧血がないかを調べます。

治療:
亜鉛不足や鉄不足がある場合はこれを補い、舌苔などの舌表面の異常がある場合は口腔内の清潔を保つようにします。

舌炎

症状:
舌が痛い、味がしないなど

多い原因:
原因不明のものも多いですが、痛みがある場合はウイルス感染やビタミン不足、など、味がしない場合は亜鉛不足による味細胞の代謝阻害、鉄欠乏による貧血、舌の表面への物理的な刺激などがあります。

診察・検査:
視診にて舌苔や舌炎、口内炎など舌表面の異常の有無を確認し、味覚障害がある場合は血液検査にて亜鉛不足や鉄欠乏性貧血がないかを調べます。

治療:
診察で明らかな原因が見つからない場合はビタミン不足を考慮しビタミンB2・B6の投与や口腔内の清潔を保つようにしてもらいます。但し、舌苔など気にして舌のブラッシングなどを過度に行った結果、舌が荒れてしまったような症例もありましたので、強くこするようなことは控えていただきます。
舌が荒れている場合は軟膏の塗布や粘膜の改善を促すうがい薬などでうがいをしていただきます。

逆流性食道炎

症状:
のどの異物感がある、胸やけ、すっぱいげっぷがでるなど

多い原因:
胃酸の過剰分泌、逆流

診察・検査:
耳鼻咽喉科では逆流性食道炎の診断を確定することはできません。確定診断をするには、胃カメラによって胃や食道の荒れを確認する必要があるからです。そのため当院では逆流性食道炎が疑われる場合は胃カメラができる消化器内科や消化器外科の受診をお勧めしております。

治療:
胃酸を抑える薬を服用します。胃カメラの検査でピロリ菌が確認された場合は除菌が推奨されます。

検査

鼻咽腔・喉頭ファイバースコープ検査(電子内視鏡検査)

A群β溶連菌迅速試験

溶連菌感染が疑われる場合に行います。特に小児の場合は溶連菌感染後急性糸球体腎炎を発症する場合があります。

RS・アデノウイルス抗原検査

RSウイルス・アデノウイルス感染が疑われる場合に行います。特に1歳以下のRSウイルス感染症は重症化する場合があるので注意が必要です。

インフルエンザウイルス抗原検査

インフルエンザウイルス感染が疑われる場合は発熱後12時間以降48時間以内に検査を行います。これは、発熱後12時間以内ではウイルスの増殖が十分でなく感染していても陰性の結果となってしまうからです。
また発熱から48時間以上経過した場合は、ウイルスの量が多すぎて抗インフルエンザ薬が効かなくなってしまうので、適切なタイミングで検査を行う必要があります。

細菌検査

細菌感染が疑われる場合に行います。細菌感染は溶連菌感染症を除き、培養検査となるため、結果が出るまでに1週間程度かかります。

血液検査

おたふくなどのウイルス感染が疑われる場合は血液検査による抗体検査を行う必要があります。またのどの炎症がひどい場合は炎症の程度を判定するためや、肝機能障害を併発する場合などもあるため血液検査を行います。
炎症がひどく腫れを引かせるためにステロイド剤の投与が必要な場合、B型肝炎やC型肝炎の既往や血糖値を調べる必要があります。

生検(生検組織診断)

病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査です。生検組織診断とも呼ばれます。がんや悪性腫瘍が疑われる場合は当院では行わず、提携医療機関を紹介いたします。

日帰り手術

咽頭異物摘出術(簡単なもの)

主に扁桃周囲や口を開けて見える範囲に魚の骨が刺さったときなどに適応となります。

咽頭異物摘出術(複雑なもの)

舌の付け根など口を開けても見えず、ファイバースコープで見える所に魚の骨が刺さったときなどに適応となります。

よくある質問


気管支喘息の専門的な治療はやっておりません。気管支喘息の診断治療は肺機能検査が必要となるため呼吸器内科が専門となります。感染性の炎症後の気管の過敏症いわゆる『咳喘息』症状に対しての吸入薬の処方や気管の過敏性を抑える内服薬の処方は行っております。

可能です。のどに骨が刺さったときは、無理に取ろうとしないで、受診をお勧めいたします。ご飯を丸飲みするといった方法は骨をさらに押し込んでしまい、摘出が難しくなる場合がございますのでお勧めできません。

可能です。耳鼻咽喉科は上気道を診る診療科であるため、鼻水、のどの痛み、咳などの上気道炎症状は耳鼻咽喉科の専門領域となります。

相談は可能ですが、気管支喘息は下気道疾患ですので、初回発作や重症の発作がある場合は内科や小児科といった呼吸器の専門科の受診をお勧めしております。
アレルギー性鼻炎と喘息とは原因は同じであることが多く、お互いが密接に関係しております。好酸球性副鼻腔炎など喘息に合併する副鼻腔炎もあります。気管支喘息は下気道疾患ですが併発するアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎といった上気道疾患を治療することによって、病状が劇的に改善することがございます。

鼻とのどの閉鎖状態や舌の動き、喉頭の動きなど飲み込みに連動する動きを診察することは可能です。しかし確実な嚥下状態の評価をするためのはレントゲン透視下で飲み込みの動きを評価する検査が必要であるため、検査可能な病院をご紹介しております。

まずは耳鼻咽喉科を受診してください。皮膚疾患であるか、頚部の内部の疾患であるかは、触診によってある程度診断が可能です。